先日、長女の少し遅めの初宮参りの後、その流れでお食い初めを行いました。
”お食い初め”って聞いたことは何度もあるけれど、いざやるとなったら、知らないことだらけ。
一つ一つ調べたり、聞いたりしながら、無事に終えることができました。
今回は、我が家のお食い初めの事前準備から当日までの体験をレポートします。
自宅でお食い初めをしたよ。
赤ちゃん用のお祝い膳は、張り切って一部は手作り!
Contents
お食い初めとは?
お食い初めってなに?
「お食い初め(おくいぞめ)」とは、生後100~120日頃に行う赤ちゃんのお祝いのセレモニーの一つです。
ここまでの赤ちゃんの成長をみんなで喜び、感謝するとともに、これからも一生食べ物に困りませんように、という願いを込めて、お祝い膳を食べさせる真似をする儀式のこと。
”百日祝い(ももかいわい)”や”箸揃え(はしぞろえ)” とも言うそうです。
お食い初めの歴史は古く、平安時代から続く風習だと言われています。
昔は、赤ちゃんが健やかに育つことは難しかったと言いますから、ちょうど歯が生え始める頃にお祝いの儀式として行い始めたという起源には納得ですね。
事前準備
いつ、どこで、誰と行うかを決める
お食い初めの準備は、まず①いつ ②どこで ③誰と 行うかを決めるところから始まります。
①いつやるか?
日にちは、参加する方々の都合の良い曜日や時間帯から選ぶのが一般的です。大安などお日柄が良い日を選ぶ方も多いそうです。
②どこでやるか?
自宅で行うか、外食(飲食店)をするかによって、その後の準備が大きく変わります。
自宅で行う場合は、準備を一通り自分でする必要があります。
ホテルや料亭などへお食い初めのコースの予約を入れれば、お店で赤ちゃん用のお祝い膳や大人用のメニューを用意してくれます。
③誰と行うか?
お食い初めに招待する人を決めます。
一般的には、夫婦のみか、夫婦とその両親(赤ちゃんの祖父母)で行うことが多いようです。
都合がつかなかったり、どちらかの両親が遠方だったりする場合は、片方の両親だけを呼んでやった、という方もいるよう。
ここから先は、私たちのように、自宅でお食い初めをする場合に、用意する必要があるものを紹介します。
お食い初めの食器
お食い初めの食器は、お椀は漆器や素焼きのものとされています。
さらに、男の子用は全て朱塗り、女の子用は外側が黒塗り・内側が朱塗りのものと、男女で違いがあるのです。(知らなかったので、驚きました!)
ただし、地方によっては、この色の配色が男女逆の場合もあるそうなので、予め地方の風習をしっかり確認しておくといいですね。
お食い初めで使用する器は、今後何度も使うものではないため、最近では、食器だけレンタルできるサービスや、フリマアプリなどでお値打ちに手に入れる方法もあります。
このようなサービスを賢く利用するのもいいですね。
また、そこまで本格的な器にこだわらないという方は、今後使用する予定の離乳食用の食器や、自宅で普段愛用している食器を、お祝い膳の食器として代用して行う方もいるそうです。
ちなみに我が家は、”夫の兄弟の子ども(姪っ子)たちが歴代使ってきた”というお祝い膳用の食器があったので、それを義実家から借りてきて使用しました。
どこかの神社で、お祝い膳としていただいたものだそうですが、食器の色は白でした。
祝箸
お食い初めは、別名”箸揃え”というほどで、赤ちゃんが初めて箸を使用する大切な儀式です。
その時に使うお箸は、お正月や婚礼の席など、ハレの日に使う「祝箸」を用意するそうです。
祝箸とは、柳の木で作られた、両端が細い形をした丸い箸です。
(箸袋も多種多様ですが、紅白の色が使われていたり、寿の文字が書かれていたりと、おめでたいものが多いです。)
祝箸は、スーパーやインターネットで購入できます。
ちなみに今回、初宮参りのご祈祷をしてもらった際に神社からいただいたお下がりの中にも祝箸は入っていました。
歯固めの石
お食い初めでは、「歯固めの儀式」で「歯固め石(はがためいし)」を使います。
昔は、”長寿であること”と”歯が丈夫なこと”は、イコールだと考えられていたそう。
丈夫な歯が生えますように、ということは、長生きしますようにという願いとも紐づいているということですね。
歯固めの石は、神社や河原で拾った小石を熱湯消毒して使用している方が多いよう。
お食い初めセットを購入すると、付いている場合もあるそうですよ。
石ではなく、タコや栗の実、お餅などを代用品として使うのもOKだそう。
・タコ:なかなか噛みきれないタコが噛めるくらい、丈夫な歯が生えますようにという願いを込めて。タコの吸盤はまっすぐなので歯並びの良い子になるといわれているそうです。
・栗の実:栗の実が噛めるくらい丈夫な歯が生えますようにという願いを込めて。
お食い初めのメニュー
メニューとその意味は?
食べ物に一生困りませんように、という願いを込めて行うお食い初めの儀式。
そこで赤ちゃんが食べる真似をするお膳の献立は、”一汁三菜”と決まっています。
メニュー構成の中にも、しっかりと願いや意味が込められているのを知ると、用意するのにも身が引き締まりますね。
お食い初めのメニュー
①鯛
〔意味:“めでたい”の語呂合わせ。身体が縁起の良い色をしていることからお祝いの席によく使われる。「首尾一貫」の言葉の通り、最初から最後まで長生きするようにとの願いから、尾頭付きの鯛が一尾まるまる使われることが多い。〕
②煮物
〔意味:レンコンは先を見通せるように、筍は長寿を、里芋は子宝、大根と人参でおめでたい紅白、などの願いを込めて。〕
③香の物 (酢の物やお漬物)
〔意味:大根と人参のなますで紅白、”多幸”の語呂合わせでタコの酢の物などを使う。〕
④お赤飯
〔意味:お赤飯の赤い色は、邪気を払うという考え方から、”魔除け”の意味でお祝いの席によく使われる。〕
⑤お吸い物
〔意味:”吸う力”が強くなりますようにとの願いから。具に入れるハマグリには、「ぴったりと合った良い伴侶に恵まれますように」という願いが込められています。〕

ちなみに我が家は、鯛以外は全部手作りで作りました。
鯛は、尻尾や背びれを必ず焦がしてボロボロにする自信があったので(笑)、ネットで焼いた鯛を一尾丸ごと注文しました。
日時指定でしっかり届けてくれるサービスは、助かりますね。

ネット以外に、近所の魚屋さんやスーパーなどでも、事前に予約をしておけば、当日や前日に焼き鯛一尾を購入できるところも多いようですよ。
一尾まるごとが大変な場合は、鯛の切り身を用意したり、(半分、お笑い要素も込み?!で、中に餡子の入った、あの)”タイ焼き”を用意したりしている方もいるようです。
どんな方法でも、我が子を思う想いにきっと代わりはありませんね。
並べ方は?
器の並べ方は、和食作法の器の並べ方と同じです。
セレモニーは、写真を撮る機会も多いので、ここは、しっかり押さえておきたいところですね。

お食い初めのやり方
そして、いよいよここからは、お食い初めのやり方です。
私も夫もやり方を知らなかったので、ネットで検索。
(すでに4人の孫がいる義両親も知らなかった!(驚) お食い初めのお膳は用意しても、なかなかしっかり儀式まですることって、ないのかな?)
食べさせるのは誰?
お食い初めでは、食べさせる人も決まっています。
その場にいる親族の中で、赤ちゃんと同性の一番年上(長寿)の人が、赤ちゃんを膝にのせて食べさせる真似をします。
男の子であれば、おじいちゃん、女の子であれば、おばあちゃんに頼むことが多そうですね。
食べさせる人のことは、「養い親(やしないおや)」というそうです。
食べさせる順番は決まっている
お食い初めでは、食べさせる人と同様、赤ちゃんにお料理を食べさせる順番も決まっています。
ご飯 → お吸い物 → ご飯 → お魚 → ご飯 → 煮物 → ご飯 → お吸い物
上記の順で、お膳のお料理を一品ずつ食べさせる真似を3回繰り返します。
案外多いですよね!笑
義母に全部やってもらうのは、少し回数が多いかなと思い、実母にもやってもらいました。
正式な方法とは違いますが、みんなに参加してもらえ、我が家らしい笑いの絶えない儀式となりました。
娘は、初めて目の前に現れたお食事に興味津々。
口の中で泡をぶくぶくさせていたので、今にもパクリと食べそうな勢いでした。笑
お食い初めの締めは、歯固めの儀
お料理を食べさせる真似(上記3回)をした後には、「歯固めの儀式」を行います。
歯固め石に箸をちょんちょんと触れ、「丈夫な歯が生えますように」と、赤ちゃんの歯茎に軽く当てます。
これで、お食い初めの儀式は終了。
最後は、みんなで写真撮影をしました。
お食い初めの衣装はどうする?
さて、お食い初めの赤ちゃんの衣装ですが、せっかくの大切な行事なので、特別なものを着させてあげたいですよね。
特に赤ちゃんの衣装に決まりはないそうですが、袴のロンパースを用意されることも多いそう。(袴ロンパースなんて、可愛すぎる!)
少し大きめを買って、お正月やひな祭りなどにも使ってもいいですね。
ちなみに我が家は、同日にお宮参りも行ったので、ベビードレスで行いました。
病院の退院とお宮参り用に用意したので、新生児用のものでしたが、大きめな作りだったからか、3ヶ月でもしっかり着ることができました。
大人用のお料理はどうする?
ここまでは、ずっとお食い初めの赤ちゃんのお膳について書いて来ました。
…が、セレモニーの後は、大人用のお食事も必要ですよね。
大人用のお料理は、お寿司や仕出し弁当をとったり、赤ちゃんのお膳と同じものを振舞ったり…と特に決まりはないようです。
我が家の場合は、お食い初めのお膳を手作りしたので、それと同じものをみんなで食べようかと思ったのですが、コロナのこともあり、大皿をみんなで囲むのは気が引けました。
お宮参りも同日に行う予定だったので、神社から帰ってすぐに用意をするのも大変だったので、今回は、お赤飯とお吸い物は手作りし、おかずは仕出し弁当を頼みました。
依頼したのは、名古屋の仕出し料理屋さん、八百彦さんです。(「扇」というお料理を頼みました。写真ご参考ください。)
想像以上に立派なお重に入って来て(しかも、おめでたい扇の形!)、おかずの種類も豊富で、味も美味しくて大好評でした。
お重が大きすぎて、テーブルが満杯に…。笑

お祝いとお祝い返しは?
お食い初めはお祝い行事なので、親族を招待する場合、お祝い金をもらうことも多いそうですね。
(金額は、食事の場所や内容に応じて1万円前後くらいが相場のようです。)
今回我が家のお食い初めは、私と夫の両親を招待したのですが、事前に両家へ手ぶらで来てもらえるようにと通達しておきました。
出産祝いをもらっていたのですが、お返しはいらないと両家から言われていたので、今回の食事の席が、内祝いのようなものだと解釈し、お食い初めの祝い金は辞退しました。
それから、せっかく来てもらったので、お土産には、娘の名前入りのカステラと、両家で愛用している茅野舎のお出汁セットを用意しました。
(まとめ)お食い初めの感想

妊娠中から、子どもが生まれたら、伝統的な儀式はしっかりやってあげたいと思っていました。
だから今回、家族みんなで娘を囲み、お食い初めをしてあげることができ、(娘はどうあれ、個人的に)大満足です。
娘は、きっと記憶にはないだろうけど、こうやってみんなで祝福し、健やかな成長を願っていたことを写真を通じてでも伝えられたらいいなと思います。
そして、娘を通じて、改めて家族の絆や大切さを私たちが感じさせてもらう機会でもありました。
風習って、こうやっていろんな人の思いがリレーのようにつながって、続いていくものなんだろうな。
全部を本格的にはできなくとも、これからも自分たちなりの形で、こうやって節目節目の娘の成長はみんなでお祝いしていきたいな。


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