結婚6年目、妊活歴約2年(途中、お休み期間あり)の夫婦の不妊治療体験記です。
タイミング法、人工授精(AIH)を経て、今回、初めての体外受精(IVF)を行いました。
人工授精までお世話になった専門病院から転院し、今回の専門病院では、すぐに体外受精(IVF)にステップアップしました。
まだ、結果は出ていないけれど、それでも体外受精(IVF)にチャレンジしてよかったと夫婦で話しています。
今回の経験が、あなたの未来の希望に、そして私の明るい未来につながりますように。
採卵周期、前半の記事はこちら▼

採卵周期に入り、約2週間で計4回の通院を経て、あっという間に採卵日を迎えました。
まずは、採卵当日を迎えるまでについて、ざっと振り返ってみます。
今回の採卵期について
”体外受精(IVF)”と一言で言えど、その過程の治療方針は、本当に多岐に渡ります。
今回の専門病院の勉強会に参加したり、先生のお話を聞いて、私は初めてそれを知りました。
不妊治療って、絶対的な正解はなく、つくづく奥が深いです。
さて、今回の採卵に至るまでの私の治療方針は、以下の通りでした。
今回の体外受精の治療方針
・自然周期
・ドラッグフリー
・体外受精 (→自然に受精しなかった場合、顕微授精)
体外受精の体験談を読んでいると、排卵誘発剤を使って、複数の卵胞を育てて、たくさん採卵して、余剰は凍結して次の周期に備える方が多いですよね。
(このあたり、また別記事で書こうと思います。)
私は、AMHの値が低く、生理の周期は安定していたため、排卵誘発剤は一切使わず、自然周期法をとりました。
この場合、通常の排卵は、1回につき1個です。
これまでの通院の時にも、大きく育った卵胞が見えていたので、その1つを採卵することが今回の目的でした。
事前準備
採卵、というと、”内診の延長上”というイメージを持っていましたが、分類としては、手術に当たるのだそう。
”手術”の事前準備や注意事項は、思ったよりたくさんありました。
私が通っている専門病院では、採卵日を決める内診(採卵当日より2回前の通院/D12)の時に、採卵にあたっての当日までの注意事項や当日の持ち物についての説明がありました。
私の場合は、前日に注射も点鼻薬もなく、前日の食事や行動の制限も特にありませんでした。
当日までの注意事項
・食事制限(来院の3時間前から、食べ物・水分は禁止)
・メイク/マニキュア/ペディキュア/アクセサリーの禁止
・コンタクトレンズの禁止(眼鏡はOK)
当日は、来院の3時間前から、飲食(食べ物・飲み物)は禁止でした。
基本飲み物も禁止ですが、夏場は、熱中症予防のため、水(ミネラルウォーター)なら多少飲んでも構わないよ、と先生から言われました。
手術の際に、何かあった時の身体の反応がわかるように、メイク・マニキュア・ペディキュア・コンタクトレンズは、禁止でした。
ネイルは、透明のものであってもNG。
アクセサリー(結婚指輪も)などの装飾類も全て外すよう指示されました。
この注意事項を読んで、”手術”するんだなぁという感覚が湧きました。
事前に通知してもらえて助かったよ。
当日の持ち物
・同意書
・現金(採卵費)
・ナプキン
<夫が来院しない場合のみ>
・精子(採取から、3時間以内のもの)
同意書
提出した同意書は、全部で5部。
「体外受精胚移植」「顕微授精胚移植」「胚凍結」「着床補助操作」「培養胚の培養中止」それぞれに関しての同意書です。
全ての治療や対応をするとは限りませんが、必要になるかもしれない同意書を全て事前提出することが、採卵手術実施の条件でした。
当日に複写の控えをもらいました。
現金
私が通院している病院は、通常3万円以上費用がかかった場合は、クレジットカードが使えます。
ただし、この採卵手術に関しては、クレジットカードの使用はできませんでした。
現金のみでの受付けとのことで、 採卵日を決める内診(採卵当日より2回前の通院/D12)の時に、具体的に費用の提示がありました。
ナプキン
採卵手術後に、出血した場合のために必要なものです。
”多量の出血があるなら、普段使っている布ナプキンでは追いつかないかも…”と思い、事前に看護師さんに確認しましたが、そこまで心配ないですよ、と言われました。
私は普段、使っている布ナプキンを持って行きました。
いよいよ採卵
ここからは、やっと採卵当日のお話です。
ざっくり時間軸で振り返ってみると、こんな感じ。
当日スケジュール
- 7:50 病院到着
- 8:05 受付/採卵費用支払い
- 8:15 採卵室 入室/ベッドへ案内/着替え/お手洗い
- 8:30 再度、お手洗い
- 8:30 手術室へ
- 8:45 手術終了/ベッドで休憩
- 9:15 採卵室 退室
- 9:40 内診
- 10:20 診察
- 10:30 看護師さんより今後の説明
- 10:40 諸費用支払い
時間軸にすると、案外あっという間だね。
夫は別室で精子の採取をしていたよ。
病院到着
当日は、朝一番の採卵とのことで、8時5分の予約でした。
私が通う専門病院は、体外受精(IVF)専用の受付は、一般の受付とは別で、院内の奥まった場所にあります。
つまり、そこで出会う人は、みんなこれから体外受精(IVF)を待つ方たち。
女性専用のため、夫は、一般待合で待ち、私一人で、緊張しながら、採卵用の受付に向かいました。
待合室には、私の他に5名。
まさかのトップバッターで、緊張が増しました。
受付
受付では、名前の確認、同意書の提出、支払いを行いました。
一通り受付の手続きが終わったら、その後は、血圧を測定。
緊張していましたが、心拍数は、普通でした。笑
血圧を測り終えたら、名前とバーコードがついたリストバンドを巻かれました。
”手術ですよ”感が増しました。
スリッパを履き換えて、いよいよ病室へ。
入室
受付が終わると、ベッドがたくさん並ぶ回復室に通されました。
各ベットは、壁で仕切られていて、それぞれのベッドの前には、カーテンがついていて閉めたら個室になります。
中には、鍵付きのロッカーが一つと、ベッドが一台。
ベッドの横には、ナースコールもついていました。
ロッカーの中に準備されている、術衣と帽子を身につけて、お手洗いを済ませ、順番を待ちます。
洋服や下着は、すべて脱ぎます。
事前説明の通り、アクセサリー類は全て外しました。
病室へ入った後、すぐにお手洗いは済ませましたが、10分後、名前を呼ばれた時にも、再度お手洗いを促されました。
尿が残っていると、採卵がしづらくなることがあるそうです。
お手洗いは、短い間に計2回行きました。(でも、案外出るものだから、驚きです。)
卵胞が隠れてしまうことがあるそうだよ。
採卵スタート
名前を呼ばれて、いざ手術室へ。
扉が開いた瞬間から、ドラマで見るような光景が目の前に広がり、急に怖気づきました。
目の前にどーんと鎮座する台の上に登り、いざ採卵です。
台は、いつもの内診台よりもずっと高くて大きいものでした。
階段で台の上に登ってからはもう、まな板の上の鯛状態。
(足を固定されたので、ちょっと驚きました。)
機械が中に入ってからは、洗浄・消毒とテンポよく進んで行きます。
これまでに感じたことのない違和感と痛みに、驚きと緊張しかありませんでした。
あれには、本当に救われたなぁ。
採卵は痛かった、と語っている体験者さんは多く、全身麻酔をする病院も多いそうです。
でも私のクリニックでは、全身麻酔は行なっておらず、希望者は局所麻酔をしてくれます。
私は根っからの臆病者なので、局所麻酔は、当然希望しました。
「ちょっと痛いですよ、ちくっとしますよ。」と看護師さんに何度か言われましたが、予想に反して、局所麻酔も、そして採卵も、全く痛くありませんでした。
先生、名医ですね。
採卵中、看護師さんが、下腹部あたりをぐいぐい容赦なく抑えてきます。
(その力に反し、『大丈夫ですか?』と何度も優しく聞いてくれたので、その心遣いは嬉しかったです。)
私は、洗浄された時の驚きと違和感の方が、ずっとずっと強かったから、その痛さは、まるで平気でした。
採卵中は、採卵の様子が大きなモニター画面(右側の壁)に大きく映し出されていたので、ずっとそれを眺めていました。
まん丸の卵胞が、スルッと吸い込まれていく様子を眺めているのは、なんだか感慨深いものでした。
採卵が終わって、後処理をしてもらい、止血用の包帯を詰めて終了です。
包帯をつめますよ、と想像以上にぐいぐい詰められるので、ここはちょっと身体に違和感を感じました。
体感的には、ものすごく長い時間に感じましたが、実際は10分くらいでした。
採卵後は、安静に
採卵、後処理が終わったら、手術室を出て、先ほどの回復室で30分くらい横になりました。
ベッドに横になりながら、天井を見つめて、湧き上がってくる気持ちは、ひたすら「感謝だなぁ」の連続でした。
一生懸命取り組んでくれる先生や看護師さんや培養士さんの姿を間近で見て、心の底から”ありがとう”が、じわじわと湧き上がってきました。
あのあったかい気持ちに包まれた不思議な感覚は、今でもなんとなく覚えています。
もちろん、先生たちの他、一緒に妊活・不妊治療に向きあってくれる夫にも、すくすく育ってくれた卵胞に対しても。
不妊治療を始めてから、初めて感じた感覚だったよ。
退室前に、ベッドまで看護師さんが来てくれ、体調や気分に変化がないかなどを確認してくれます。
”最後に入れた、止血用の包帯は、どこでとるんだろう?この後の内診の時かな?”
なんて思っていたら、看護師さんに、「包帯とりますね」と言われ、足に毛布をかけられました。
(ベッドの上に起き上がり、膝を立てたところに、上から毛布がかけられた状態。)
まさかの、その毛布の下から、看護師さんが器用にスルスルと止血用の包帯を取ってくれました。
(”え?!ここで?”感が半端ないです、笑。
それから、まだ出てくるの?というくらい包帯が出てきます。泣)
「痛みはありませんか?」と何度か看護師さんが気にしてくれましたが、不思議なほど術後の痛みはありませんでした。
(本当に、先生は名医です!)
内診
内診前に、朝から何も食べていない私に看護師さんが、「低血糖になると行けないから。」とアメをくれました。
レモン味の飴、おいしかったです。
病室から出て待合室に戻ると、精子の採取を終えた夫が待っていました。
夫の顔を見たら、なんだかホッとして、肩の力が抜けたことを覚えています。
全然自覚はなかったけれど、採卵後も緊張感は続いていたんだなぁ。
内診では、出血がないか、異常がないか、の確認だけでした。
出血もなく、特に異常もなかったようで、台に上がってから、数秒で内診は終了。
診察
採卵日当日の最後は、先生の診察です。
診察室へは、夫と二人で入室。
ここで、今回の採卵の結果と、今後の方針についての話がありました。
少し長くなりそうなので、次回に続きます。
採卵当日の注意事項
採卵後の注意事項は、以下の2つ。
採卵当日の注意事項
・入浴は避け、シャワーのみにすること(感染症の予防)
・激しい運動は、避けること
注意事項としては、手術後なので、安静に、とのことでした。
とはいえ、ずっと寝ている必要はなく、無理のない程度でいいようです。
「可能であれば、お仕事などは控えて、お家でゆっくりしてくださいね。」と言われました。
それを免罪符に、私は午後からはNetflixデーとしましたよ。笑
採卵を終えて

あまり、身構えていなかっただけに、採卵は心身ともに想像以上にキツイものでした。
正直、クリニック通いも早く終わりたいのが本音です。
ただ、予想外に辛いことばかりではありませんでした。
採卵を実際に体験してみて、周りの人たちに対する感謝が溢れるくらい湧き上がりました。
こういう気持ちを味わわせてもらえることは、人生の幅を広げてもらえるありがたい経験だなと、今は思っています。
”体外受精”と聞いたことはあっても、実際に自分が当事者になるまでは、その治療内容について知ることはありませんでした。
今や、体外受精で生を受ける子どもは、21人に1人と言います。
43万人以上の子が体外受精で生まれている事実を考えたら、もっともっと社会的に理解が深まってもいいのになぁと今回改めて思いました。
不妊治療に関して感じていることは、またゆっくり記事にしようと思います。
次回は、採卵周期後編です▼。

データは、「2016年日本産科婦人科学会ARTデータ」より
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